大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(あ)2740 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人貞松秀雄の上告趣意について。

論旨は違憲をいうが、憲法二六条二項は「すべて国民は法律の定めるところによ

り、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う」旨規定し、これに基き

教育基本法四条一項は「国民はその保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる

義務を負う」と規定するところ、被告人の国民として負う右法律上の義務は、被告

人が実刑に処せられると否とによつて何等の消長をも来たすべきものではないこと

いうまでもなく、被告人が実刑に服することによつて、その保護する子女に普通教

育を受けさせる義務履行上に事実上支障を与えるか否かの如きは右教育基本法の関

知しないところといわなければならない、されば右違憲の主張はその前提を欠くも

のであり、論旨の実質は訴訟法違反、量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当

らない。(昭和三二年(す)第二二三号同年四月五日第二小法廷決定参照)

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三六年七月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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